こんにちは、ダイキです。
進撃の巨人の原作漫画100話「宣戦布告」にて、エレンがライナーに言った印象的なセリフがあります。
「やっぱりオレは…お前と同じだ」
このセリフは色んな解釈を生んで色んな考察がされていましたが、128話「裏切り者」のライナーのセリフでエレンのセリフの意図が明らかになりました。
今回はその意図について解説し、エレンとライナーの共通点について書いていこうと思います。
エレンとライナーが同じってどういう意味か

エレンとライナーは何が同じなのでしょうか。
結論から言うと、自分の信念のためなら相手を殺すことができるということです。
エレンもライナーもそれぞれ倫理的に見れば大きな過ちを犯しています。
ライナーはパラディ島の壁を破壊し、多くの人を殺すキッカケを作りましたね。
エレンはマーレ大陸レベリオ収容区で巨人として暴れまわり、多くの人を殺しました。
2人とも大量殺戮をしたという意味では同じです。
しかし、これだけだったらエレンは、ベルトルトやアニにも同じ感情を抱いているはずです。
でもエレンが自分と同じだと思っているのはライナーだけです。
その理由は、2人とも自分の信念を持っていて、それを貫いたからです。
このあたりについて深掘りしていきましょう。
エレンとライナーの共通点

エレンの信念は、自由を求めるということです。
「自由を奪われるくらいなら、相手の自由を奪う」と言っているように、エレンは自由の奴隷君として、自由のためなら大量殺戮だってできてしまいます。
覚悟を決めたエレンは悪びれもせずにレベリオ収容区に集まっている人々を殺しました。
子どもも含めて何の罪もない人たちをです。
ライナーの信念は、母親に認められることです。
エルディアとマーレのハーフということで母親が苦労したことを知っているライナーは、母親のために戦士になりました。
母親を安心させたい、良い暮らしをさせたい、認めてほしい…という思いから、マルセルがユミルに食われた後もアニとベルトルトを強引に説得して始祖奪還作戦を継続しました。
始祖を奪還して英雄となるためです。
そのために壁を破壊し、間接的ではありますが多くの人を殺したわけです。
このように、エレンもライナーも、自分の中で絶対に曲げられない信念を持っていて、それを守るためなら大量殺戮だってできるということです。
ライナーは自分の犯してしまった罪の大きさにやられてすっかり病んでしまいましたが、結果的にはエレンと同じだったわけです。
これこそが、エレンが「やっぱりオレはお前と同じだ」と言った理由ですね。
まとめ

いかがでしたでしょうか。
エレンがライナーに「やっぱりオレはお前と同じだ」と言った理由は、ライナーも自分勝手な理由で多くの人を殺したからです。
世界を救うためなんていうのは建前で、本当は、始祖を奪還した英雄になって母親に良い暮らしをさせたかったから。
そんなライナーの告白を受けて、エレンはライナーと同じだと思ったわけですね。
ちなみに、「やっぱりオレは…お前と同じだ」というセリフは100話で言ったセリフですが、この時、タイバー家の当主であるヴィリーが世界各国に向けて演説していました。
ヴィリーは演説の中で、「私はエルディア人であるこの血を恨んだ。誰よりもエルディア人の根絶を願っていた。しかし、死にたくない。それは、私がこの世界に生まれてきてしまったから」と言っています。
わざわざ敵のエサになるようなマネなんてしたくないけど、タイバー家の当主になったからにはやるしかない。
死にたくない。
この世に生まれたから。
聴き入っている大衆には決して届かない想いを胸に秘めたヴィリーの切ない演説に、エレンは心を揺らされ、自分の信念を貫きました。
進撃の巨人はこういうキャラクター同士の見えないコミュニケーションがあって面白いですよね。
キャラクター1人1人の行動指針のようなものがハッキリしていて、崩れないので作者に操られている感がないし、むしろ作者がキャラクターの行動に困らされている感があって、物語としてとても魅力的です。
また考察ネタが思いついたら記事にしようと思いますので、ぜひ参考にしてみてください。
ではまた。
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